オーラルフレイルをご存知ですか?

2026年06月16日(火)
オーラスフレイルについて考える女性

最近『むせやすくなった』と感じている方はいませんか?

それもしかすると「オーラルフレイル」かもしれません。

聞き慣れない言葉かもしれませんが、日本では高齢化が進み、このオーラルフレイルと呼ばれる、お口の機能のささいな衰えが注目されています。

今回はこのオーラルフレイルについてお話ししていきたいと思います。

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルという言葉をご存知でしょうか?

聞き慣れない言葉でどういうものかわからない人も多いかもしれません。

オーラルフレイルとは造語で、オーラルとフレイルに分けられます。

オーラルは口、フレイルは虚弱という意味で直訳するとお口の虚弱になります。

フレイルは歯科にだけ関わる言葉ではなく、高齢になり心身の活力が低下した状態のことを言います。

筋力などの身体のみならず、認知機能や社会とのつながりなどが低下することを言います。

フレイルは、はっきりと病気の診断されていなくても少しずつ起きる変化に早期に気づき対応することで予防していくための概念になります。

オーラルフレイルは特にお口の機能低下に敏感になっていただくための概念で、早期に対応することで元の健康状態を取り戻すことが期待できます。

例えば最近食事が噛めなくなった、食べる量が減った、柔らかいものを好むようになったという時は注意が必要です。

噛めないので柔らかいものを食べる→噛む機能が低下する→より噛めなくなる→栄養が低下するといった具合に負のサイクルに陥ってしまいます。

そしてオーラルフレイルはお口だけではありません。

低栄養になれば全身への影響も多くあります。

全身の衰えは社会生活へも影響が出ます。

徐々に社会から離れて自宅にこもりがちになり、様々な不自由が出てきて介護が必要になったり、寝たきりになることへドミノ倒しのように衰えていってしまう懸念があるのです。

オーラルフレイルチェック項目

オーラルフレイルであるかどうか、自分で簡易的にチェックする方法があります。

☆オーラルフレイルセルフチェック表

①半年前と比べて硬いものが噛みにくくなった
②お茶や味噌汁でむせることがある
③入れ歯を入れている
④口の乾きが気になる
⑤半年前と比べて外出が少なくなった
⑥たくあんや、さきイカくらいの堅さの食べ物を噛むことができる
⑦1日に2回以上歯を磨く
⑧1年に1回以上歯医者さんに行く

①〜③が「はい」の場合2点、④⑤が「はい」の場合1点、⑥〜⑧が「いいえ」の場合1点とカウントします。

合計が0〜2点であればオーラルフレイルの危険性は低いと言えるでしょう。

3点でオーラルフレイルの危険性があると判断します。

4点以上でオーラルフレイルの危険度が高いと判断されます。

なお、入れ歯を使用していること自体が悪いわけではありません。合った入れ歯でしっかり噛めているかが大切です。

ご自身はどの様な結果になったでしょうか。

この変化は少しずつ起きるので気づかないことが多いものです。

一度チェックして安心ではなく、定期的にチェックすることも心がけましょう。

そして簡易的なチェックだけでは不安な場合は歯科医院で相談してみましょう。

多くの歯科医院で相談できますが、口腔機能検査の実施状況は医院によって異なるため、事前に確認すると安心です。歯科医院ではお口の中の汚れ具合や乾燥の度合い、筋肉の状態なども診てくれます。

そして状態にあった予防対策を提案してくれます。

痛くて噛めない入れ歯や歯があれば治療をし、口腔乾燥があれば唾液分泌を促すマッサージの方法を指導します。

普段から定期検診に受診をされている方であれば歯科医師や歯科衛生士が変化に気づいてくれることもあります。

定期検診は歯をお掃除するだけではなく様々なことに気づき健康を維持するお手伝いができる場でもあるのです。

年齢を重ねた方こそ、こまめな受診が必要だと思います。

口腔機能低下症と診断されたら

歯科医院で検査を行い、複数のお口の機能に低下が認められる場合、「口腔機能低下症」と診断されることがあります。そうなった場合、どの様な対応が必要になるのでしょうか。

全身状態と生活習慣について

日本老年歯科医学会によると、まず全身状態と生活習慣について

①栄養バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう
②医科のかかりつけ医を持ち、お薬の副作用にも気をつけましょう
③積極的な社会参加を心がけましょう
④心身共に健やかな生活習慣を心がけ、週に一度は外出しましょう

と言われています。

口腔での注意事項

口腔での注意事項としては、

①口腔衛生状態を維持しましょう
・そのために1日2回以上のブラッシングや夜寝る前はしっかり磨きましょう
・舌の清掃も心掛けましょう
・ぶくぶくうがいを行いましょう
・入れ歯の清掃もしっかり行いましょう

②お口を常に潤すようにしましょう
・食事や会話などお口をしっかり動かして唾液の分泌を促しましょう
・うがいや水分摂取を適切に行いましょう
・唾液腺マッサージを1日3回行いましょう
・お口の保湿剤を使いましょう

③噛む力の低下を予防しましょう
・入れ歯、虫歯、歯周病の治療を受け、噛み合わせをしっかり治しましょう
・干し芋やスルメ、ドライフルーツなどの噛みごたえのあるものを食べましょう
・噛み合わせの力が発揮できるように噛む筋力を鍛えましょう

④舌、唇の運動機能の低下を予防しましょう
・早口言葉や滑舌の練習で舌や唇を素早く動かしましょう
・家族や友達とおしゃべりする機会を増やしましょう
・唇や頬の力を鍛える器具や笛を使いましょう

⑤舌の筋力を鍛えましょう
・舌を口の中ではじいて、ポンッと音を鳴らしましょう
・舌の筋力を鍛える顔の運動をしましょう

⑥咀嚼機能低下を予防しましょう
・入れ歯、虫歯、歯周病の治療を受け、咀嚼機能を改善しましょう
・咀嚼の訓練や、1回につき20〜30回噛むなどの指導を受けましょう
・食事形態の指導を受けましょう

⑦嚥下機能低下の予防をしましょう
・飲み込みの検査を受けましょう
・飲み込みの力を鍛えましょう
・呼吸の力を鍛えましょう

口腔機能の低下は、咀嚼障害・摂食嚥下障害につながります。

そうなると脱水や栄養障害が生じます。

そして易感染症や誤嚥性肺炎、サルコペニア(加齢や疾患によって全身の筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下する状態)にもつながり、運動障害も引き起こします。

そうやってフレイルの重症化や、自立度の低下に拍車をかけていくのです。

ですので、口腔機能の低下に気づいたら早めに上記の対応で改善を試みることが重要なのです。

お口の機能を守るトレーニング

自宅でも簡単にできるトレーニングがあります。

お口の機能を守るためにやってみましょう。

①ぶくぶく・ガラガラうがい

いつもやっている所作かもしれませんが意識的にしっかりやってみると意外と大変なのです。

ぶくぶくする時は、頬をしっかり膨らませてぶくぶくします。

ガラガラうがいは、喉の奥で水を溜めて「あー」としっかり声を出しながらガラガラしましょう。またガラガラうがいは、むせやすい方は無理せず、できる範囲で行いましょう。

歯磨きのたび、帰宅時のうがいの時に回数だけでなく1回の時間も長くするように心掛けてみましょう。

②唾液腺のマッサージ

唾液腺はたくさんありますが大きな唾液腺は3つあります。

耳の前から顎にかけて耳下腺、顎の下に顎下腺・舌下腺があります。

耳下腺に指の腹を当て、ゆっくり円を描いたり優しく押して刺激をします。

唾液が出ると食べ物をまとめ、飲み込みやすくなります。

③舌のストレッチ

舌を下の方にベーっと出します。次に舌先で上唇を触り、左右の口角も触ります。

舌の動きが良くなることで食べたり飲み込みがスムーズになります。

④飲み込みのトレーニング

「パ」「タ」「カ」「ラ」をはっきり大きな声でそれぞれ10回繰り返します。

舌先や舌の根元、舌全体と口の周りの筋肉を使って筋力を鍛え、飲み込む力も鍛えます。

終わりに

オーラルフレイルについておわかりいただけたでしょうか?

小さなことかもしれませんが少しむせやすくなったり、硬いものが噛めなくなったり、口が乾きやすくなったり、それらはもしかするとオーラルフレイルかもしれません。

早めに対処して予防することが大切です。

なお、むせやすさや飲み込みにくさが急に出た場合、体重減少がある場合、発熱や咳を繰り返す場合は、歯科だけでなく医科への相談が必要になることもあります。

定期的に受診している方はオーラルフレイルについて歯科医院で相談してみましょう。

定期受診していない方はお口のチェックも兼ねて是非歯科医院を受診してみてくださいね。

そらいろファミリー歯科

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