歯科衛生士のお仕事

2025年11月23日(日)
笑顔の歯科衛生士

患者さんが歯医者さんに行くと先生よりも先にお話をする事が多いのが歯科衛生士では無いでしょうか?

中には歯科衛生士と歯科助手の区別がつかないところもあるかと思います。

歯科衛生士と歯科助手の違いは何でしょう?

なかなかマニアックで意外と知られていない歯科衛生士について今回はお話ししたいと思います。

1、歯科衛生士と歯科助手の違い

歯科衛生士と歯科助手の違いは国家資格があるかないかです。

歯科衛生士は専門的な知識や技術を学び、国家資格を取得して医療行為が行えます。

歯科助手は特に資格は無くても働く事ができます。

歯科助手を募集している歯科医院に応募をして採用されると歯科助手として勤務が可能です。

歯科助手は基本的に医療行為は行えず、お口の中を触る事は出来ません。

主に診療のアシスタント業務、受付業務や電話対応、器具の消毒や滅菌処理、バキュームを使って口腔内の唾液の吸引などを行います。

歯科助手には公的な資格はありませんが、民間の認定資格がいくつかあります。

種類としては、日本歯科医師会が認定する「歯科助手資格」や、日本能力開発推進協会(JADP)による「歯科助手技能認定」、「歯科医療事務管理士」などがあります。

対して歯科衛生士は歯科医師の指示の下で医療行為が行えます。

歯石を取ったり、歯磨きを指導したり出来るのが歯科衛生士です。

2、歯科衛生士になるには

歯科衛生士になるには高等学校を卒業後に歯科衛生士養成機関である大学、短期大学、専門学校にて所定の課程を終了する必要があります。

一般的に3年制の専門学校で専門的な知識や技術を学ぶことが多いです。

そして国家試験の受験資格を取得してから国家試験に合格すると、晴れて歯科衛生士の資格が得られます。

また国家試験に年齢制限もなく、高等学校を卒業していれば大学卒業後でも社会人を経験してからでも専門学校に入学し受験することが可能です。

3、歯科衛生士の業務

歯科衛生士として働く女性

歯科衛生士の業務は大きく分けて3つあります。

1つは歯科診療補助、もう1つは歯科予防処置、そして歯科保健指導です。

これが歯科衛生士の三大業務です。

歯科診療補助は歯科医師がスムーズな診療が行えるよう器具器材の準備や口腔内バキュームを保持したり、被せ物などの研磨なども行なったりします。

予防処置としては虫歯の発生を抑えるためにフッ化物の塗布や歯周病の予防のために歯石やプラークを除去し口腔内の衛生環境を整える処置を行います。

そして保健指導では歯磨きの仕方だけではなく、生活背景を考え、栄養指導や薬や病気との関連など様々な観点から個人に適した保健指導を行います。

またその他にも努めた歯科医院によっては、カルテの整理や受付会計業務、アポイントの調整などを行う場合もあります。

4、歯科衛生士の働き方

歯科衛生士はその多くが一般の歯科医院に勤務します。

そして病院の歯科口腔外科や保健所に勤める歯科衛生士もいます。

他にも保育園や幼稚園、学校や企業、そして介護老人施設などにも広がってきています。

一般の歯科医院に比べ、病院勤務の歯科衛生士は間口が少ないです。

そして保健所では必ず歯科衛生士がいる訳でもなく、勤務していても1人の場合が多くかなり狭き門になってきます。

とは言え歯科衛生士は一般の歯科医院で勤務を希望した場合、求人数も多く様々な条件を選ぶことができる職種だと思います。

近年歯科医院はコンビニよりも多いと言われるほどですので、女性の結婚、妊娠、出産などで一度リタイヤしても再就職がしやすいことも魅力だと思います。

また医療機関は景気の波に影響されにくく比較的安定した収入を得られるのも利点です。

最近では正社員やパートタイムだけではなく、単発で勤務可能なシステムを導入している歯科医院も増えてきています。

ですので小さな子供がいて長く働けない、介護をしてたくさん働けない、旦那さんの都合で転勤が多く就職が大変、といった場合でも少しだけ働くことも可能になってきています。

5、歯科衛生士からステップアップ

歯科医療業界も日々進化し、新たな情報がアップデートされていきます。

そのため卒業後も学び続ける必要があります。

歯科衛生士になり経験を積むとそれ以上の資格を取ることもできます。

そしてキャリアアップを目指し、より専門的な知識を身につける衛生士もたくさんいるのです。

歯科衛生士のキャリアアップの資格として以下があります。

①日本歯周病学会認定歯科衛生士

日本歯周病学会認定歯科衛生士とは、日本歯周病学会が認定している資格の一つです。

主に歯周病に関する知識や的確な処置方法を学び患者さんの健康を守るための資格です。
取得するには、歯周病臨床に5年以上経験する必要があり、難易度は難しいとされています。

持っているとかなり信頼が得られる資格の一つだと思います。

②日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士

日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士とは、最近選択肢として選ぶ方も増えてきたインプラントに関する治療のケアやメンテナンスなどの専門的な知識を学びます。口腔インプラントを行なっている歯科医院では持っていると有利に働く資格だと思います。

③臨床歯科麻酔認定歯科衛生士

臨床歯科麻酔認定歯科衛生士とは、歯科衛生士によって麻酔を使用するための必要な知識や技術を学ぶ資格です。

臨床歯科麻酔認定歯科衛生士の資格を持っていると、歯科医師の補助として麻酔を行うことが可能となります。
取得条件は歯科衛生士として免許を取得してから2年経過する必要があります。

④日本小児歯科学会認定歯科衛生士

日本小児歯科学会認定歯科衛生士は、子どもの歯に関する知識や技能を学ぶ資格です。

主に小さなお子様の口腔機能発達不全症の予防や歯並びの改善や指導などを任されます。
取得には認定施設での実務経験が必要となります。

⑤日本成人矯正歯科学会認定歯科衛生士

日本成人矯正歯科学会認定歯科衛生士は、矯正に関する知識を学ぶ資格です。
3年以上矯正の歯科医院で働いている必要があるなど条件がいくつかあります。

また、1級と2級に分かれており、資格のスキルアップも目指せます。

⑥ホワイトニングコーディネーター

ホワイトニングコーディネーターの資格とは、歯を白く保つために必要される知識や技術の習得する資格です。

ホワイトニング処置はこの資格を保持していなくても行えますが、信頼度を上げるため取得する人も多くいます。
臨床経験も必要としないので取得条件は比較的易しいのも特徴のひとつです。 

⑦歯科感染管理者

歯科感染管理者は、口内の感染予防の習得を目的とした資格の一つで、第一種歯科感染管理者と第二種歯科感染管理者の2種類があります。
第二種歯科感染管理者は、歯に関する感染制御の知識を学ぶことを目的としており、第一種歯科感染管理者は、現場での技術の向上を目的としています。

⑧滅菌技師

滅菌技師は、感染症を防ぐため感染についての知識を学び感染リスクを減らすことを目的としています。

第一種滅菌技師と第二種滅菌技師があり、取得するには実務経験が3年必要です。 

上記は認定歯科衛生士や臨床に活かせる資格として一部を紹介しました。

また歯科衛生士として資格取得後、新たな資格に挑戦しダブルライセンスで働く人も増えています。

例えば歯科技工士、米国歯科衛生士、保育士、看護師などです。

他にケアマネージャー(介護支援専門員)を目指す方もいます。

ケアマネージャーになるためには実務経験5年以上かつ900日以上が必要です。

簡単な資格ではありませんが取得することで幅広い活躍が期待できます。

6、終わりに

歯科衛生士は女性が活躍する職種と思われがちですが、現在は男性も資格取得が可能です。

歯科衛生士は常に患者さんと接し、様々な職種ともコミュニケーションが必要になってきます。

そして自分で処置した患者さんが良くなっていくことを実感でき、時には感謝もされるやりがいのある仕事だと思います。

しかし地方など歯科衛生士が不足しているところはまだまだあるようです。

とても身近な職種でもあると思うので興味がある方は是非、歯科医院で歯科衛生士のお仕事に注目してみて下さい。

そらいろファミリー歯科

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