歯科の定期検診、どのくらいで受診していますか?

皆さんは歯科検診を定期的に受診していますか?
私たちの歯科医院では定期的なお口の中のチェックをお勧めしています。
受診した際、最後に定期検診の間隔を決めるかと思います。
多くの方は「また3ヶ月後に来てください」と言われるのではないでしょうか?
ではその間隔はどのように決められているのでしょうか?
今回は定期検診の期間についてのお話です。
定期検診の重要性
私たちの歯科医院では初診で来院される方で「定期検診希望」という方もいらっしゃいますが、やはり多くはお口の中に不具合が生じたことでいらっしゃる方が多くいます。
そういう方でも始めと治療が終わった時には定期検診を受けられるようお声掛けをさせて頂いています。
「歯医者は痛くなったら行くところ」
そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
一昔はそうだったかも知れません。
しかし今は歯を長期的に良い状態で残すために通うところにもなって来ているのです。
歯科の2大疾患である、虫歯と歯周病は初期のうちには自覚症状が出にくい病気です。
症状が出てからでは重症化している可能性が高いのです。
重症化した場合、最悪は抜歯になり歯を失ってしまう事になります。
歯の喪失を防ぐために定期検診があるのです。
定期検診に通っている人と通っていない人では歯を失うリスクは違うことが報告されています。
それからしっかり歯を残せている高齢者は、残っている歯が少ない人に比べて年間の医療費が少ないという報告もあります。
またある雑誌でシニア層1000人に「今、何を後悔しているか?」というアンケートを取りました。
すると健康面では運動不足や食事の不摂生を抑えて「歯の定期検診を受ければよかった」が一番になっていたのです。
歯の喪失率は40〜50代から急激に増えてきます。
これは年齢と共にお口の中の環境が変わることが原因です。
今は痛くないし、噛める、話せる、歯医者さんとは無縁と思っている若い方でも将来は何が起きるかわからないのです。
そのため何も無い時から問題が起きていないか?早期発見をし、早期治療へ繋げることが大切なのです。
虫歯と歯周病
歯を失う原因として大きく分けて虫歯と歯周病があります。
虫歯は進行して神経に近くなると痛みを生じます。
しかし稀にゆっくり進行するタイプで強い痛みもなく神経まで達してしまう虫歯もあるのです。
歯の神経が死んでしまうと感染した根の中を消毒し、歯に補強をして差し歯を作ります。
そういう神経のない歯(失活歯と言います)は時間経過とともに歯自体が乾燥し、力が掛かると割れやすくなります。
割れた歯の多くは抜歯になります。
歯の神経があるとないのとでは割れるリスクが大きく違ってきます。
ですので、虫歯は早期に発見し神経を残してあげることが、歯自体を残すためにもとても重要なのです。
歯周病はサイレントキラーとも呼ばれ、痛みもなく進行し症状が出たときには手遅れになってしまうことが多い病気です。
歯周病で歯が失われるのを予防するためには、歯を支えている骨をいかに減らさないかが重要になってきます。
そのためにはお口の中の細菌のコントロールが必要です。
細菌はプラーク(歯垢)や歯石としてお口の中に住み着き繁殖していきます。
歯周病菌が活発なお口の中は栄養があり、居心地の良い棲家があるので、その環境を壊していく必要があります。
歯周病菌の栄養とは血液です。
歯ブラシが不十分ですとちょっとした刺激で血が出やすくなります。
また歯の周りにつく歯石が細菌の棲家になります。
血液が歯周病菌を活発にし、歯石が細菌の繁殖を促すので、しっかりと普段から汚れを取り清潔にしておくことが大切です。
3ヶ月であることの意味
歯科健診の間隔は多くの人が「3ヶ月」と言われているのではないでしょうか。
3ヶ月という期間には理由があります。
お口の中の細菌(主に歯周病菌)ですが、クリーニング後に整ったお口の中の細菌バランスは、約3ヶ月で元の状態に戻りやすいといわれています。
ですので、その期間にチェックをしてクリーニングを行えば大きな問題を起こすことがないと考えられているのです。
また虫歯で言えば3ヶ月程度であれば新たに発生した虫歯が神経まで到達する前に見つけて、治療することが出来る期間でもあるのです。
しかしこれも平均的な話ですので、個人差はもちろんあります。
ですから当院ではその方にあった期間を提案し、納得して頂いた上で定期検診の期間を決めていきます。
心配事が大きい方は1ヶ月、長期的でもリスクがないと判断した方であれば6ヶ月まで期間を伸ばす事もあります。
私たちは定期検診をメインテナンスとも言います。
歯科の中でメインテナンスは4つに分類されます。
①予防的メインテナンス
②治療後メインテナンス
③試行的メインテナンス
④妥協的メインテナンス
があります。
予防的メインテナンスは基本的に大きな問題を起こしたことがなく、小さな変化であってもプラークコントロールをしっかり行えば改善の見込める場合のメインテナンスになります。
そのためブラッシングのチェックやプラークコントロールのしやすい口腔内環境を作るためのプロケアを行います。
治療後メインテナンスでは歯周病治療を行なった後でどの程度改善し、どれだけ問題点が残ったかを見ながら行うメインテナンスになります。
試行的メインテナンスは歯の周りの組織が壊されており、治療も次善の策で終わり、まだ問題が残っている場合のメインテナンスになります。
リスクの高い部分を重点的に管理しながら新たに問題が発生しないように管理をしていくことが目的になります。
妥協的メインテナンスは積極的な治療を行わずにメインテナンスに移行した状態です。
治療は行っていませんのでたくさんの問題を抱えた状態で管理していく事になります。
このように定期検診でもどのような状態かは個人差があります。
そして患者さん本人のセルフケアレベルなども考慮して期間を決めていきます。
定期検診の内容と受けることの利点
定期検診ではまず虫歯の有無を確認します。
その際、必要に応じてレントゲン写真を撮ることもあります。
そして歯科衛生士による歯周病の検査があります。
歯と歯肉の深さをチェックし、炎症の有無や歯石の有無、歯の動きや骨の喪失が無いかなど調べていきます。
その上で一人一人に合ったクリーニングを施術していきます。
歯周ポケットを洗浄したり、歯石を取り除いたり、歯石やプラークが付きにくくなるように歯の表面をツルツルに磨いたりします。
また磨き残ししやすいところはどのような清掃用具が良いか、磨き方も指導していきます。
お口の中の健康を維持するためには定期検診だけでなく、患者さんのセルフケアが特に重要になってきます。
そのため、歯科に関する知識や情報の提供も行なっていきます。
こういった様々なアプローチを定期検診を通じて患者さんと共有し健康を維持できるようにしていきます。
定期検診を受けることの利点として、
①虫歯や歯周病の早期発見ができること
②口臭や着色汚れが予防できること
③自分に合ったブラッシング方法が確認できること
④全身の病気のリスクを下げるこ
⑤口腔がんなど重大な病気も発見できること
⑥長期的に歯を残せること
⑦医療費を抑えること
など様々な利点があります。
終わりに
様々な観点から決められるメインテナンスの期間ですが、3ヶ月と言われる理由と個人差が大きいこともご理解いただけたかと思います。
「痛くなってから」ではなく、「何もない今」こそがベストタイミングです。
ぜひ一度、お口の健康チェックから始めてみてください。
