一生に一度しかない子どもの成長期に
歯並びの基盤となる
「顎(あご)の育成矯正」を行います
近年、不正咬合や口呼吸、歯並びの良くないお子さんが非常に増えてきています。
軟らかいもの中心の食生活によってよく噛む必要がなくなったことで、咀嚼筋(噛むための筋肉)の発育不全が起こり、上顎や下顎の発育不足が起こり歯が生えるスペースが足りなくなる。その一方で、栄養状態が良くなったことによって一本一本の歯は大きくなる。このように「顎骨の小型化」と「歯の大型化」が同時に進行しているため、小さな顎に大きな歯は入りきらず歯並びが乱れてしまうのです。
歯並びを矯正すると、顔立ちが整うなど「見た目の美しさ」のメリットだけでなく、「一生を通して全身の健康に良い影響を与える」ということがわかってきました。上顎の発育不足が、歯並びなどの外見的な問題のほかにも様々な症状の原因となっている場合もあります。気になることがある方は、お子さんやお孫さんに以下の症状がないかチェックしてみてください。
こんな症状はありませんか?
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●永久歯の歯並びが悪い
(ひしめき合って生えてきている) -
●永久歯が生えるスペースがない
(乳歯が隙間なくきれいに並んでいる) - ●唇が荒れたり切れたりしやすい
- ●風邪を引きやすい、扁桃腺が腫れやすい
- ●姿勢が悪い
- ●おしゃぶりがとれない
- ●アトピー性皮膚炎のような肌をしている
- ●2枚重なって生えてきている永久歯がある
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●いつもボーっとして口を開けている、
口で呼吸をしている - ●寝る時に口が開いている、イビキをかく、寝相が悪い
- ●耳鼻科通いをしている
- ●落ち着きがない
- ●おねしょがなおらない
もしかすると「上顎の発育不足」が原因かもしれません。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
子どもの矯正治療について
小児矯正は、顎の骨のバランスや大きさを整える「Ⅰ期治療(骨格の矯正)」と、歯の位置を整える「Ⅱ期治療(歯列の矯正)」の2段階に分けて考えられています。
Ⅰ期治療は、骨自体が柔らかく骨と骨のつなぎ目も緩い4歳から10歳くらいまでの時期に行う必要があり、これをしっかり行うことで、Ⅱ期治療そのものが不要になったり、将来的なかみ合わせや外科的な治療リスクを減らすことが可能です。小児矯正と大人になってからの一般的な矯正の一番の違いは、 顎の狭さや受け口などの「骨格的な不正」を改善できる点です。
Ⅰ期治療「顎顔面矯正」
※4〜10歳まで
顎顔面矯正は、顎骨の発育不足によってひきおこされる様々な不正な歯列に対するⅠ期治療です。乳歯の時期や、乳歯と永久歯が混ざっている状態の時期に行います。
「上顎骨急速拡大装置(RME)」という矯正装置を使用して、上顎の骨(鼻上顎複合体)自体を広げ、正しく健康的な成長を促すことで、永久歯が健康に生えそろうためのスペースをつくるものです。そのため抜歯をして矯正をしなければならなくなる可能性が下がります。
費用の目安は、おおよそ51万円程度(保険適用外)となります。
●顎顔面矯正における上顎の拡大と歯の動きの例
小児矯正治療の大まかな流れ
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矯正相談
年齢や歯の状態、生え具合などを確認し、パノラマ写真やCT画像をもとにお子さまに適したプランをご提案いたします。治療内容や流れなど詳しくご説明いたしますので、気になることなどはご質問ください。
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検査
セファログラム(頭部X線規格写真)、顔貌写真、口腔内写真など治療のための各種検査を行います。問診票、アンケートにご回答をお願いします。
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診断
資料を用いながら、検査結果をご説明いたします。ご納得され治療に進む場合は、同意書にご記入いただき歯列模型のための型取りを行います。
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装置のセット
装置を取り付け、取り扱い方や注意点などをご説明いたします。また、必要に応じて学校の先生宛にお手紙をご用意いたします。
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定期来院〜調整
装置装着後は正しい効果が得られているかを定期的にチェックさせていただき、必要な調整を行います。
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メンテナンス(装置の取り外し後)
装置を外した後もトレーニングを続け、その後の不具合などの早期発見のためにも3〜4ヶ月に一度メンテナンスにご来院いただくのが望ましいです。
⻭の生え変わりと全身の骨格の成⻑・発育は、リンクしていることが分かっています。Ⅰ 期治療で終了した場合でも、すべての永久歯が完全に生え変わり12歳永久歯が揃うまで経過をみることをおすすめいたします。