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FAQ

2021.01.16

歯周病について④

前回は歯周病の細菌がどのように口の中を壊していくかをお話いたしました。

実際にはプラーク(バイオフィルム)の中で特定の細菌が高病原性化し、さらに体の免疫反応が起き、結果的に炎症性サイトカインの嵐となって破壊が進むとの事ですが細かいことはいいと思います。

 

本日は歯周病治療で大事なことをまとめてみます。

前回、歯ぐきが破壊される際に「出血」というキーワードがありました。

これが結構大切になります、実は一番悪さをする歯周病の菌が餌にしているのが人間の血に含まれる成分なのです。

体が炎症を起こせば血が出やすくなります(擦り傷状態とお考え下さい)、つまり歯周病の菌が暴れれば暴れるほど出血しそれを食べてさらに菌が強くなる悪循環となってしまいます。血を食べた特定の歯周病菌はいままでの大人しい姿が別人かの如く豹変してさらなる破壊にいそしみます。

ですがここに治療のヒントがあります、単純に餌となる血を与えないようにすればよいのです。そうすればまたやせ細って元の大人しい菌達に戻っていきます。

具体的には破壊されてしまった歯ぐきのバリアを修復することが必要になります。

バリアは自分で治ろうとはしています、しかし常に菌の攻撃を受けていますので自然治癒する暇がない状態です。そこに外から細菌達を破壊する手助けをして治る時間稼ぎをするのが歯周病の治療の基本となります。

そこで②でお話をした歯ブラシの出番です、少しでも歯ぐき周りの菌を減らしてあげること。これが唯一無二の治療です。

もちろん専門である歯科医院では歯ブラシ以外の器具もたくさん使って歯ぐきの治ろうとする力をサポートいたします。ご本人のケアが困難な破壊が進んだ部分は我々の領域です。しかしながら日々の細菌との闘いをすべてお手伝いすることはできません。

なのでご自身での歯ブラシ(セルフケア)が一番の治療法、われわれはそのサポートをする参謀であり援軍と考えております。

残念ながら歯周病は歯医者にいくだけで治るということはない病気です。我々の提供させていただく処置とご自身のケアが組み合わさって初めて改善されていきます。

しつこくなりましたが歯医者で歯ブラシの話をされることにうんざりされる方もいらっしゃるかと思いますが、こんな思いで我々歯ブラシのお話をさせていただいております。

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